かじり・焼付・潤滑油飛散等、潤滑油に関わる課題を改善する際に、無給油ブシュを採用することがありますが、それだけで万全とは言えません。雄側であるピン・シャフト側が無給油化された『TAKANO無給油ピン・シャフト』のメリットを把握し、ケースごとに採用することで、潤滑課題の改善効果をより向上させることが可能となり、より高度な生産性向上を狙うことが可能となります!
かじり・焼付き対策として、無給油ブシュの使用が一般的ではありますが、実際のグリスの塗布はピン・シャフト側にすることがほとんどです。また、かじり・焼付きの発生が懸念されるのも、ブシュではなくピン・シャフト側です。ブシュへの給油は、塗布した油がかき出されやすく、ピン・シャフト側への給油の方が潤滑状況を実際に目で見て管理できトラブルを回避しやすくなります。特に、摺動距離が長いシャフトでは、シャフト側へ給油した方が潤滑剤の周りが良くなるケースがあります。
現状の標準規格では、ブシュの規格種類は多くなく、懸念されるかじり・焼付きリスクに対し選択肢が少ない。また、ブシュの全長は短く、その距離内で改良をしなければならないが、ピンやシャフト側なら溝の形状や本数、鋼種などの変更に融通が利きやすく、状況に応じた対策が取りやすくなります。
ブシュは圧入やロックタイトなどでの接着ではめ込むため、その取り外しにはピンより手間や時間がかかる。ピン・シャフト側の交換なら、急なトラブル発生時や定期メンテナンスの際、作業の簡略化を図ることが可能です。
かじり・焼付き・油飛散などの課題を解決するために、各社が様々な手法で摺動部品の改善に取り組んでいます。その一つに表面処理があります。ハードクロムやDLCコーティングなどが一般的な選択にありますが、たわみ安い摺動部品への表面処理は剥離リスクがあります。また、材質や熱処理などの仕様変更で改善するケースもあります。TAKANO無給油技術はあらゆる部品に固形潤滑剤を埋設しますので、当初の改善手法に固形潤滑剤の埋設を追加して使用することが可能です。表面処理をした摺動部品に埋設することも可能ですし、新しい鋼材仕様の摺動部品にも適用できます。